カーソルのばねのあたるところなど、固定尺の上下面にロウを塗ります。その後、柔らかい布で拭き、カーソルを数回左右に動かします。すると滑りがよくなります。
まず、滑尺を抜き取ります。固定尺の上下を持ち、外側に、あるいは内側に力を加えます。ちょうどいい硬さになるように調整します。それでもだめなら、下の固定尺の上下でずれているときをご覧ください。
両面計算尺のときは片面ずつ調整します。
まず、カーソルのねじをゆるめます。ねじをはずす必要はありません。できるだけ離れたメモリでカーソル線が尺と垂直になるようにカーソルのプラスチックを動かします。位置が決まったら動かないようにカーソルを押さえながらねじを少しずつ締めます。再度、カーソル線がずれていないか確認してください。そしてねじをしっかりと締めます。
片面が調節できたら、もう片方の面を調整します。
まず、カーソルのねじをゆるめます。ねじをはずす必要はありません。先ほど調節した面のカーソル線をメモリの端(D尺の1や10が無難)にあわせます。調節する面のできるだけ離れたメモリで調節する面のカーソル線が垂直になるようにカーソルのプラスチックを動かします。位置が決まったらカーソルを押さえながらねじを少しずつ締めます。再度、カーソル線がずれていないか確認してください。このとき、計算尺の表面と裏面でカーソルの位置が一致するようにしてください(つまり、両面ともDの1や10を指している)。そしてねじをしっかりと締めます。
カーソルを尺と垂直にするときですが、使っていいメモリと、使っていけないメモリがあります。使っていいものはD、K、A、DI、Lなどです。使っていけないのはDF尺などです。滑尺は、ずれる可能性が高いのでやめたほうがいいです。S尺やT尺が固定尺にあり、しかも基線が印刷してあるものに限り、使用してもかまいません。LL尺はeあるいは1/eと印刷してあるメモリのみを利用できます。特に、LL00尺(LL/0尺なども)やLL0尺のある計算尺ではこれらのメモリを使いたくなるかもしれませんが、使ってはいけません。これらであわせると、若干ずれます。
固定尺にねじがついているときは調整できます。ねじはたいてい、固定尺の両端に1個ずつ、計2個ついていると思います。
まず、固定尺のねじを緩めます。ねじをはずす必要はありません。滑尺のメモリと固定尺のメモリがすべてぴったり一致するように滑尺と固定尺を動かします。位置が決まったらねじを少しずつ締めます。このとき、滑尺の滑りやすさがちょうどよくなるように気をつけてください。メモリがずれていないことを確認して、ねじをしっかりと締めてください。
計算尺の表面が汚れているときは、ヘンミクリーンなるものを少量つけてやわらかい布でこするといいらしいです。残念ながら、私にはヘンミクリーンの入手方法が分かりませんし、今でも入手可能なのかも分かりません。
ヘンミクリーンがないときは、少量の種油を柔らかい布につけて、定英に拭いた後、かわいた柔らかい布で油気をふき取るといいそうです。私は試したことがありません。