これは具体的な掛け算の方法です。掛けられる数を順番に2倍していき、掛ける数のほうは1になるまで2で割っていきます。割り切れなかった場合は切り捨てます。 また、掛ける数の側が奇数になった場合、掛けられる数の側に印をつけておきます。「45×113」は次のようになります。
掛けられる数 | チェック | 掛ける数 |
---|---|---|
45 | ○ | 113 |
90 | 56 | |
180 | 28 | |
360 | 14 | |
720 | ○ | 7 |
1440 | ○ | 3 |
2880 | ○ | 1 |
そして、チェックの付いたものを足し合わせます。「45+720+1440+2880=5085」 すると、答えが求まります。
この計算の原理を厳密に説明することは難しいので、今紹介した例について分析してみます。
まず、掛ける数を二進数で表してみましょう。「113(10) = 1110001(2)」となります。これを十進法で記述すると、次のようになります。
これから「45×113」の計算は次のように書くことができます。
ここで、上で計算した表と比較してみてください。奇数となるところというのは2進数でビットが1となるところに対応しますので、この方法でかけ算をすることができるのです。
学習研究社「算数おもしろ大事典」1994年2月20日初刷発行 ISBN4-05-600142-1