今までは、C尺とD尺のみを使って掛け算と割り算をしてきました。しかし、CI尺とD尺を使っても掛け算・割り算をすることができます。「CI尺を使わなくても、C尺で計算ができればそれでいいじゃないか」と思われる方がいらっしゃるかもしれませんが、後で述べる連続計算をするときに役立つので、CI尺を使った掛け算・割り算の仕方も知っていたほうがお得です。
では、具体的な計算をして見ましょう。今回は「3×2」をしてみたいと思います。
まず、D尺の3にカーソル線を合わせます。D尺とCI尺がずれていても問題ありません。
次に、滑尺を滑らせて、CI尺の2をカーソル線に合わせてください。
そして、CI尺の1のすぐ下のD尺のメモリを見てください。
すると、D尺の6があります。したがって、「3×2=6」です。
計算していて、CI尺の1の下にD尺のメモリがない場合があります。そのときはCI尺の10の下のD尺のメモリを見ればいいのです。たとえば、「6×5」のときは、次のようにします。
形式がマンネリ化していますが、やはり、ここで練習問題を書いておこうと思います。これで、皆さんは掛け算を2通りの方法でできるようになったと思います。次に示す計算は、C尺を用いた場合と、CI尺を用いた場合と、両方やってみてください。どちらが楽ですか?たぶん、CI尺を使った掛け算のほうが簡単だと思います。
今回はCI尺という新しい尺が登場しました。でも、計算の仕方はほとんど変わっていません。ということは、C尺とCI尺はたいした違いがないと推測できます。
それでは、C尺とCI尺をじっくり見比べてください。一見まったく違うような気がしますが、よ~くみると・・・、メモリが逆にふってあるだけのような気がしませんか???
実は、C尺とCI尺の違いは、メモリが左からふってあるか、右からふってあるかの違いだけです。実際、CIのIはInversedの頭文字です(諸説あります)。
そうと分かったら、掛け算の原理は簡単ですね。次に「3×2」の例を挙げますので、皆さんも考えてみてください。
同じような計算方法が続いていますが、これが掛け算・割り算シリーズの最後です。何とか読みきってください。
CI尺を使って、割り算をすることもできます。では、「6÷3」をやってみましょう。
まず、CI尺の1(つまりC尺の10でも同じ)をD尺の6に合わせます。
次にCI尺の3にカーソル線を合わせます。
すると、D尺のところには2があります。つまり、「6÷3=2」が求まったのです。
では、「6÷8」をやってみてください。すると、CI尺の8にカーソル線を移動できませんよね。
そういう時はCIの1を合わせる代わりにCIの10を合わせてください。
位取りを考えて、「6÷8=0.75」を求めることができます。
それでは、次の計算をしてみてください。